宇久 島 メガ ソーラー パーク。 長崎県・宇久島で国内有数メガソーラーと風力発電計画 現状と課題とは 進まぬ住民らの合意形成 「太陽光」海底ケーブルに反発 県北の漁協「環境悪化する」

480MWの「宇久島プロジェクト」、8月にようやく着工!

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京セラ、九電工、東京センチュリー等の各社は、鹿児島県で100MWの太陽光発電事業を稼働させたことに続いて、長崎県佐世保市の五島列島で計画中の、国内最大規模の約480MWの発電容量を持つ太陽光発電事業に約500億円を出資する契約を結んだと発表した。 同発電所は営農併営型で、発電した電力を海底ケーブルで本土に送電するなど、スケールの大きいプロジェクトで、投資総額は2000億円になる見通し。 ( 写真は、営農併営型太陽光発電所のイメージ=旧事業主体PVDP社の構想) 動き出す大規模太陽光発電所は、五島列島の宇久島に設置される。 同島では、2017年12月に「宇久島みらいエネルギーホールディングス合同会社」が立ち上げられ、これまで事業化の準備を進めてきた。 京セラ、九電工、東京センチュリーに加えて、タイ企業で日本でも再エネ事業を展開するSPCG Public Company Limited(SPCG)、古河電気工業、坪井工業の3社を加えた6社でチームを結成、このほど出資を決めた。 事業は2020年度から建設工事に着手する。 京セラ製の太陽電池モジュール約480MW分を設置し、年間発電電力量は約51. 5万MWh(一般家庭で約17万3000世帯分の年間電力消費量)となる予定。 地元での農業活動と協調して営農併設型(畜産業)とする。 完成は2023年度中を目指す。 発電した電力は宇久島と本土との間に約64kmの海底ケーブルを敷設し、九州電力に売電する予定。 発電規模は同じ28日に売電開始を発表した鹿児島県の「鹿屋大崎ソーラーヒルズ太陽光発電所」の4. 8倍という国内最大規模のスケールだ。 宇久島での太陽光発電の潜在力は早くから注目されていた。 すでに2013年には事業計画が打ち上げられた。 当初は、ドイツのフォトボルト・デベロップメント・パートナーズ社(PVDP)が京セラ、九電工のほか、オリックス、みずほ銀行と合同で提案、計画した。 ただ土地を持つ農家等の調整等で時間がかかったほか、発電した電力の送電用の海底ケーブルの敷設をめぐっても時間がかかった。 豊かな自然が広がる宇久島。 「平家落ち武者」の伝説もある またこの間、2016年には、事業に関連して佐世保市長に現金を渡そうとしたとして、佐世保市議が逮捕され有罪判決を受ける事件も起きている。 人口約2000人の島だが、島の面積2493㎡の約4分の1に当たる約630万㎡にソーラーパネルを敷き詰める計画に、「島中が埋め尽くされる」との不安を持つ住民もいまだに少なくないようだ。 その後、2018年になって、事業主体をPVDPから、日本勢とタイの SPCGなどが設立したSPCの「宇久島みらいエネルギーホールディングス合同会社」に移管させた。 SPCには、古河電工、坪井工業等も出資。 当初参加していたオリックスは撤退するなどし、体制を一新した。 そうした見直しと調整作業を経て、今回、企業連合が総事業費の4分の1に相当する約500億円をSPCに出資することを決めたわけだ。 ファイナンスが動き出したことで、事業は計画段階から建設段階へと移行する。 発電した電力は、FITを使って九州電力に1kW時当たり40円で20年間にわたって販売されるとしている。 構想から着工までに時間がかかったが、当初事業を推進したPVDPが、早い段階で九州電力に系統連系工事の着工申し込みを済ませていたため、40円の売電価格で販売できるという。 いくつかもの紆余曲折を経て、ようやく動き出す宇久島事業。 事業を推進してきた長崎県、佐世保市による行政主導のプロジェクトにもかかわらず、環境影響評価も十分に実施しないままであるなどの点に、今も懸念を示す向きもいるようだ。 今後、順調に進むとしても、計画から完成・売電までに10年を費やすことになる。 事業主体の企業連合にとっては、稼働後の事業の安定が最大のポイントになる。 地元の信頼と、安定した電力の供給を心がけてもらいたい。

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宇久島メガソーラーの今後について/佐世保市役所

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データ・マックス特別取材班は、今年1月に宇久島取材を敢行。 以後、継続して宇久島メガソーラー事業の動向を報じてきた。 遅々として進まぬ事業着工に動きがみられたのは、今年8月末。 着工に向け、農地転用許可ならびに林地開発許可が長崎県から交付されたとの報が入ってきたのだ。 記者は9月某日に再び宇久島を訪れ、現在の島の様子を追うとともに、メガソーラー事業に揺れる島民の声を拾った。 着工へ向けて一歩前進か~寺島では九電工関係者の姿も 島に着いてすぐに向かったのは、現地で働く作業員の宿泊施設の建設予定地とされる、宇久野球場と陸上競技場周辺。 着工に向けて建設資材を運ぶトラックが往来し、現地で働く作業員の姿を目にするだろうと思いきや、その気配はまるでなかった。 目撃したのは、数名の作業員が草刈りを行っている姿。 島民によると、彼らは測量という名目で草刈り作業を行っているということだが、実際は「宿泊所建設をめぐり複数回にわたる住民説明会が行われたが、そのなかで反対意見が出ており、話し合いがいまだ平行線になっているため、主だって作業ができない」とのことだ。 実に半数を占め、その理由の多くが、「自分たちは当事者(土地の所有者)ではないため、意見をいう立場ではない」という声だった。 一聞すると当事者意識の希薄さが指摘されそうだが、背景には島独自の事情が見え隠れする。 ある島民は、「メガソーラー事業は島全体というより土地所有者の問題。 島民の多くが集まる市街部は土地をもっている人が少ないから、『自分たちは関係ない』と思う人が多いのではないだろうか」と分析。 別の島民は、「そもそも宇久島では『島民全員で島のことを考える』という習慣がない。 皆それぞれの想いはあるのだろうけど、島という閉鎖された環境下では近所の人に後ろ指を指されることを恐れ、意見を述べることすら難しいと感じている」と話した。 そのうえで、「現状、土地の所有者に対して何もいえない人が多いが、ある土地の所有者が『反対』と声を挙げれば、それに連なり反対意見を述べる人も出てくるのではないか」とも話した。 過去、風力発電導入に関し、賛成・反対で意見がわかれて議論になったことを知る島民は、なるべく争いごとや揉めごとを起こしたくないという島民感情に配慮しつつも、「今回に関しても、(島にとって利益になるから)賛成、(島の将来を考えれば)反対とそれぞれの立場や意見があるわけだから、双方で意見を出し合い議論すればよいと思う。 何も賛成したから、反対したからと言って咎められる筋合いはない。 なぜなら、誰もがこの事業の先のことはわからないのだから」と話した。 「賛成」とする声の主な理由としては、「普段使わない土地を有効活用できる」「事業を進めることで、やがては島の活性化につながる」という意見が多数を占めた。 表向きはもっともらしい意見ともいえるが、詳しく話を聞いてみると、本音と建前が見え隠れしていた。 「はじめのうちはいいと思って土地を提供したが、遅々として進まない事業に対する不信感が募っている。 今では白紙に戻してもいい(お金も返していい)と思っている」「あまりにも時間がかかりすぎている。 これまで何度も延期されていて、事業そのものに信憑性がない。 現地で事業を手がけている宇久島メガソーラーパークサービス(株)の担当職員は、「島民の意見が賛成ばかりではないということは承知している」と前置きをしたうえで、「事業に理解してもらえる・もらえないはさておき、事業を進めていく以上、進めることを前提で島民に理解を求めていく。 あと何年かすれば、島の人口が今の3分の1、1,000人を切るかもしれないといわれている。 我々は企業として利益を追求している以上、島の将来を考えた時、この事業を誘致することで、この島が潤うと思っている」と話した。 「反対」とする声の多くは、島の自然や環境を破壊する行為であることに触れ、「島の4分の1もソーラーパネルを張られてしまったら、島の景観が死んでしまう。 そして、一度壊した自然は、そう簡単には元に戻らない」と警鐘を鳴らした。 また、「仮に事業が進んだとしても、完成後のソーラーパネルを維持管理するだけで相応のお金がかかるはず。 そのころの島の人口は今より少なくなるだろうが、いったい誰がやるのか」「人が追い付かなければ、そのままほったらかしにされるのではないだろうか。 ソーラーパネルを処分しきれず、そのまま島に放置されることになれば、宇久島はゴミの山になりかねない。 そうなってしまったら困る」などと、メガソーラー事業の先行きを不安視する声も聞かれた。

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世界最大の営農型太陽光発電が長崎県佐世保の宇久島の4分の1を覆う!

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佐世保市沖に浮かぶ小島、宇久島。 壇ノ浦の闘いに敗れた平家盛(平清盛の弟)が落ち延びたという平家伝説の地に2014年6月、大規模な太陽光発電(メガソーラー)事業計画が発表された。 しかし、いっこうに進まない計画をめぐって市議が贈賄事件で逮捕され、昨年は事業担当者が島で亡くなったうえに同僚が傷害致死罪で逮捕されるという異例の展開をみせている。 さらに取材の過程でわかったのは、島をほとんど覆いつくすパネルの群れが生み出す「海上の黒い要塞」の異様さだ。 島民もほとんど知らされていないというメガソーラー事業の全容に迫った。 既報 パリ協定と固定価格買取制度 2016年ごろ、フォトボルト社を含め、米国や中国、スペインの企業が日本でのメガソーラー事業に参入する事例が相次いでいた。 この背景には、国がエネルギー(電気)の買取価格を決める制度(固定価格買い取り制度/FIT)が2012年7月に始まったことがある。 2015年12月にフランスで開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において、地球温暖化防止の国際的枠組み「パリ協定」が採択され、国際社会は本格的に脱炭素社会へと舵を切った。 パリ協定は、今世紀後半までに世界の温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指して各国に数値目標を課した取り決めで、各国のエネルギー政策に根本的な転換を迫る、本格的で実効的な内容だった。 日本も同協定で2030年までに温室効果ガス排出量を26%削減(2013年比)することが求められており、国内の再生可能エネルギー事業へのテコ入れが急がれることとなった。 しかし、各地域の電力会社が発電設備や送電網などのインフラを独占する日本国内において、再生エネルギーへの転換は遅々として進まなかったため、国は2012年に固定買取制度を導入。 電気の買取価格を諸外国と比べて高く設定したため、特に太陽光発電の伸びを著しく引き上げることとなり、その結果、買取期間の20年間は高い利益率が保証されることに目を付けた外資メガソーラーデベロッパーの参入が相次ぐ事態となったのだ。 佐世保市農業委員会が出した、農地転用許可済証 もっとも、高額な買取価格に群がった外資の思惑ほど太陽光発電事業が順風満帆というわけでもない。 太陽光発電は、シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用した発電システムで、太陽の光エネルギーを直接、電気エネルギーに変換するもの。 したがって天候に恵まれた土地である条件を満たす広大な用地取得手続きの煩雑さなどに加え、たとえば農地を転用する場合の許認可の複雑さなどで、予定された着工時期が大幅に遅れるケースが目立っている。 フォトボルト社の案件でいえば、2016年に発表された秋田県由利本荘市のゴルフ場跡地を転用した「由利本荘市ソーラーパーク」が昨年12月に稼働したほかは、着工自体がはっきりと確認されていない状況だ。 青森県横浜町で進行中のメガソーラー事業(総出力50万kW)については、2016年12月に、送電に必要な負担金が700億円に膨らむことがわかり、事業自体の存続が危ぶまれている。 宇久島みらいエネルギー合同会社の事務所 宇久島のメガソーラー事業についても、太陽光パネルの設置予定地の地権者を特定するのに時間がかかり、2年近く事業が「塩漬け」の状態が続いていた。 予定地の権利状況が判明しない土地が多く、地権者を近隣住民からの聞き取り調査などでなんとか割り出すケースもあり、さらに島外に住む地権者が多かったこともあって事業は当初の想定以上に難航していた。 2016年には、さらに追い打ちをかける事件が起こった。 メガソーラー事業に関連して佐世保市長に現金100万円を渡そうとしたとして、大岩博文・佐世保市議が2月17日に逮捕されたのだ(同年5月12日に懲役1年、執行猶予3年の判決が言い渡されている)。 大岩元市議はメガソーラー事業の関連会社社長から個人献金を受けていたことも判明しており、大岩元市議自身もメガソーラー事業準備会社の社員とともに事業実現に向けて尽力していたことがわかっている。 逮捕された際には「メガソーラー事業が頓挫すると困る」などと話していたとされ、遅々として進まない事業に対する焦りが事件の動機となった可能性が高い。 事業の遅れや大岩元市議の逮捕などと関係があるのかは不明だが、京セラは2018年1月24日に「長崎県佐世保市宇久島での太陽光発電事業の検討に関する進捗」とするニュースリリースを出し、事業の権利がフォトボルト社から、新たに設立した発電事業のSPC「宇久島みらいエネルギーホールディングス合同会社」に移ったことを発表した。 事業スキームでは、投資額を500億円増の2,000億円に修正したほか、当初2015年度着工予定としていた計画を「2018年度着工予定」に変更している。 発電能力は当初予定から50MW増の480MWまで膨らんだ。 事業参加企業からは、2014年に事業が発表された当時に参加していたフォトボルト社とオリックスが離脱し、新たにSPCG Public Company Limited(本社:タイ、太陽光発電事業)、東京センチュリー(株)(本社:東京都千代田区、リース大手)、古河電気工業(株)(本社:東京都千代田区、電線など非鉄金属メーカー)、坪井工業(株)(本社:東京都中央区、中堅ゼネコン)、(株)十八銀行(本店:長崎市)の5社が加わった計8社で事業を継続することを明らかにしている。 しかし、京セラが事業のリスタートを宣言してから約8カ月後の同年9月には、太陽光事業で宇久島に派遣されていた九電工社員(宇久島メガソーラー事業化準備室部長)が亡くなり、同僚だった男が傷害致死容疑で逮捕される事件が起きるなど、想定外のトラブル続きで事業の先行きが不透明となっている。 今年1月時点で現地事務所に常駐する職員はおらず、2019年4月の着工(パネルと送電線の設置工事)予定日までに間に合うのかめどが立たない状態だ。 大岩元市議が強引な贈賄事件に手を染めたのは、国の電気買取制度が「期限」を定めていることと無関係ではない。 事業をいつまでも塩漬け状態にすることができないのだ。 経済産業省は昨年10月15日の審議会で、2012~14年度中にFIT認定を得ていながら稼働していない太陽光発電事業を対象に、2019年3月末(2018年度内)までに系統連系工事(電力会社の電力系統に発電設備を接続すること)の着工申し込みが受領されていない案件について、買取価格を引き下げる方針を打ち出している。 宇久島メガソーラーの案件でいえば、フォトボルト社が1kWhあたり40円の売電権利をもっているため、現状ではこの「破格の値段」で20年にわたって電力会社が買い取ることになっているが、着工期限を超過した場合には2018年度時点の買取価格である18円などに見直すことになる。 フォトボルト社はすでに売電権を売却して撤退しているために「売り逃げ」たかたちだ。 具体的な事業化を担う国内企業にしてみれば期限内の着工はまさに死活問題といえる。 関係者によると、宇久島メガソーラー事業はすでに九州電力側に系統連系工事の着工申し込みを済ませているとみられるが、これはフォトボルト社の発表(2015年11月)が根拠になっている可能性が高く、九州電力自体はいまだ態度を明確にしていない。 (つづく) 【特別取材班】 〈連載3回目では、メガソーラー事業で「黒く塗りつぶされる」島の衝撃的画像を掲載する〉.

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